セミナーリポート|第23回店舗繁盛支援セミナー


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セミナーリポート|第23回店舗繁盛支援セミナー

2018年11月5日、キャナルシティビジネスセンタービルUSEN会議室で開催された「店舗繁盛支援セミナー」。語り手の “明るくて気さくな先輩” 的なスタートから始まった講演は、気がつくと一気に会場全体の集中力を高めていった。

 

有名美容室オーナーの20年が示してくれた、今を生き抜く美容室、これからの“人材” のあり方とは。

 

下積み時代に出会った1人のお客様が原点

 

 

“世界一の美容室密集地”である福岡市中央区大名。この激戦区で100坪という大型店を経営する〈switch Hair & Make〉代表の田中征洋(たなかまさひろ)氏。20年以上のキャリアと実績から、今や全国紙からの取材や業界からの講師のオファーが絶えない田中氏の原点は、下積み時代に出会った1人のお客さんにありました。

 

 

「当時まだ僕も20代前半というどこにでもいる若者だったんですが、ある日スタッフの間でも不人気の、よく仕事に指摘をしたりするお客さんのシャンプーをたまたま担当することになりまして。もう本当に嫌だったんですね。でも仕事なんでそんなこと言ってられませんよね(笑)。わかりました、って言って、『嫌だな』とか『怒られたらどうしよう』とか考えながら、とにかくシャンプーしました。そしたら終わった時に『あなた名前は何ていうの?』と聞かれたんで、『田中です』と。『次からシャンプーはいつもあなたにお願いする』と言われたんですね。それで僕は『よりによって何で俺が…』と思ったんです。先程申し上げましたように、とにかく自分の仕事に文句を言われたくない一心でしたから、全力でシャンプーしてたんですね。それを評価して下さって。でも僕は『また担当なんて嫌だなー』ってその時は思ってたんです。

 
 

 数週間後またそのお客様が来店したんですが、今までとは全然違う顔をされてて、表情が優しいんですよ。紙袋を僕に手渡して『はい、これお土産。』ってくれたんですね。

 

 

 

それから予約の電話の際にも『シャンプーは田中君で』と、普通はカットの指名しかない予約表に僕の名前が書かれていったんです。それでやっと『その時できることを一生懸命やれば伝わることもあるんだ』と、当たり前かもしれませんけどその事に気づいて。それからは他のお客様にも同じように一生懸命シャンプーをしました。そうしたら数ヶ月の間に、100名を超えるお客さんが僕にシャンプーの指名をしてくれるようになったんです。」

 

お金がないなら自分を売る。それしかない

 

「26歳の時に美容学校の同級生と独立する事になったんですが、若かったですし全く開業とかそんな知識はない状態で。たまたまプラスティックスの田中さんがお客さんだったんですが、自分たちのお店のことで色々相談させてもらって。その経緯でリードクリエーションの福泉さんをご紹介いただきました。

 

 いろんな方の助けを借りて、何とか開業にこじつけたんですが、広告や販促物に使うお金なんて全くなくて。唯一作ったのがお客さんに手渡すショップカード、それと経理上必要な通し番号付きの伝票だけで、お店の看板にすらまともにお金がかけられない状態でした。だから当然宣伝広告費になんて全くお金が回せない。

 

 そんな僕らにとってはとにかく“今目の前に座っているお客さんに、その向こうのお客さんをどれだけ紹介してもらえるか”が勝負で。そこを全力でやるしかなかったんですね。

 

 

 

 

 ここ十数年変わってないんですが、この大名という狭い地域に美容室が約350店舗ありまして。そのうち毎年100件が無くなり、100件新しいお店ができているという状況です。これだけ密集してますから、何かしらで覚えてもらったり、知ってもらえなかったらそれは存在してないのと一緒なんですよ。

 

 当時の話に戻りますけど、全くお金が無い状態で、じゃあどうやったらお客さんが来てくれるだろうって考えた時に、結局僕らに出来ることって髪をデザインすることだけなんですね。普通お客さんって『ちょっと短くして』とか、そういう要望の伝え方なんですけど、実は『仕事ができるキャリアウーマン風に見られたい』とか『ふわふわした感じの可愛い雰囲気に見られたい』とか、それが本心だと思うんですよ。だから“お客様の要望は一切聞かない”と言うのは大げさかも知れませんけど、『じゃあ少し短めに切りますね』とかって言われた通りのことをやるんじゃなくて、要望のその先に本当は何をイメージしているのかとか、他人にどう見られたいのか、どんな環境で生活してて、どんな人たちと一緒に仕事してるとか、そういうことを考えるんですよ。だから僕たちは真剣に考えて、切り終わった後の人物像を提案する『超提案型』で行こうと。言ってみればこれしか無かったんですね。

 

そうすると『あのお店普通じゃないよ!』とか『今までと全然違う美容室だった!』とかってお客さんが周りの友達なんかに伝えてくれるんですね。それって『カットが上手だった』とか『以前のとこよりは良かった』っていうのとは全く違う温度というか、お客さんのその先のお客さんまでちゃんと伝わる熱量だと思うんですよね。

 

 

 独立して最初の年はホントにギリギリ食べていけるくらいの収入しか無かったですけど、若かったんで全然平気でしたね(笑)。でもそうやって全力で提案して、デザインしてって続けていくうちにいつの間にかお客さんが増えてきてて。思い返したらやっぱり“シャンプー”の時と一緒だなあって思ったんです。とにかく一生懸命やる。お客さんに対して全力で提案するという。今考えると技術じゃないなあと改めて思いますよね。当時僕が持ってた技術なんてお客さんに申し訳ないくらいのものでしたから。でも下手なりに全力でやってたら、いつの間にかお客さんがたくさんついて来てくれてたっていう。それで“自分を買ってもらう”ことが大事なんだって分かったんですね。」

 

 

大事なのは「売れる人を何人育てられるか」

 

「今は大名で100坪のお店をやってます。スタッフは来春入社の子達を合わせると25名。今までの20数年間でうちのお店から巣立って独立したのは8名です。彼らにとって大事なのは“やりきった”という実感を持って巣立っていってくれることなんですよ。とにかく一生懸命やる、それをお客さんに伝える、伝わるとどんどんお客さんがついて来てくれて、自分を応援してくれるようになる。そうやって人として売れる人間になっていく。お店としてそういう人を何人育てられるかだと思うんですよね。そういうスタッフが何人もいると、今度はその熱が外に伝わって『あそこで働きたい』とかって自然と仲間が集まって来るんですね。たくさんの自分のサポーターが出来て、経験も積んで、そうしたらどこかで“やりきった”と思える時が来る。その時はそっと送り出してあげればいい。ここ十数年、ずっとその繰り返しです。

 

 

 先程宣伝広告費の話をしましたけど、今でも一切お金はかけてないです。インスタグラムはやってますね。僕らの世代からしたら考えられないんですけど、今の時代って、『あの人に会いたい』『あの人に切ってもらいたい』っていうお客さんが東北や北海道からわざわざ来てくれるんですよ。うちのスタッフのインスタを見てくれて。それで一回だけじゃなくて、何度も来てくれる。本当に凄いなって思うんですけど、でもそれがこの時代に“売れる”ってことだと思うんですよね。

 

 じゃあ自分の強みってとか、お客さんが来てくれる理由は何だろうって考えると思うんですけど、直接聞きにくかったら他人を通して教えてもらうとか、何かしらのやり方で知っておくべきだと思うんですね。今の時代に『何でも出来ます』って言うのは“何も出来ない”と一緒で。外側に情報を出していく時に、いろんなことを出し過ぎると、受け取る側の印象に全く残らないんですね。それよりも逆に捨てる、伝えたいことの範囲を狭めて、『僕はこれが得意なんです』とか『こういうことがしたいんです』って、これだっていうことだけに絞る。そうすると際立って『それ欲しい!』って選んでもらえたりするんじゃないかって、そんな気がしています」

 

 

セミナーを終えて。

 田中氏の話が終盤になるに連れて、この貴重な経験談の中にある重要なヒントを掴み取ろうと会場全体の集中力が増していくのを感じていました。苦難の過去も終始笑顔で語ってくれた田中氏のユーモアもさることながら、たくさんの教え、そして若い世代への熱く優しいエールが詰まった2時間でした。

 

※次回の開催は2019年4月開催予定です。
詳しくは福岡繁盛支援協会ホームページ、当ホームページにて近日お知らせいたします。

 

 

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